空き家問題が顕在化し始めた近年、「空き家バンク」という名前だけは聞いたことがあるという人はけっこう多いかもしれません。
空き家バンクの定義は
過疎地の空き家情報を登録し、その所有者と入居希望者とを仲介するサービス。過疎地域の地方自治体や NPO(非営利組織)が、地域活性化の一環として実施するもの。
となっています。
つまり、基本的には地方自治体やNPO法人が関与している制度であり、空き家を所有する人が空き家バンクに登録すると、空き家の物件情報が自治体のホームページなどに掲載されるのです。
そして「買いたい」「借りたい」など、空き家需要のある人は、基本的に各自治体の空き家バンクページから物件を探すことができます。
しかし、各自治体ごとに検索項目や検索の仕方が異なる等、規格が統一されておらず探し難いという問題が生じました。
そこで国土交通省は、株式会社LIFULLとアットホーム株式会社という二社に委託し、全国の空き家バンク情報をまとめて見ることができるよう「全国版空き家・空き地バンク」サイトとして利用できるようにしたのです。
空き家を売却したい/貸し出したいという人が空き家バンクを利用するメリットは、何と言っても
・無料で情報発信ができる
ということになるでしょう。
独立している民間の不動産会社の店舗やサイトで情報発信をするとなれば、やはり広告掲載料等のコストがかかるのが必然である為、無料で情報発信できるのは空き家バンクの大きな特徴と言えるでしょう。
一方で、デメリットもあります。
それは、コストがかからない分、情報発信はある程度限定的なものになるということです。
民間不動産会社のサイト等と違い、とことん詳細な情報を載せるということはできず、ある程度最低限の情報しか掲載することはできません。
また、空き家バンク制度の趣旨は「移住・定住促進による地域活性化」であることから、リノベーションして賃貸物件にすることや、事業者用に貸し出す等は禁止されている場合もあり(※自治体ごとに差異有)、自己居住用であることが原則ですので、想定している目的によっては空き家バンクの利用自体ができない場合もありますので、メリットとデメリットをしっかりと把握し、考える必要があるでしょう。
さて、不動産会社に依頼する場合とも空き家バンクを利用する場合とも異なる、独自のメリットを活かして買主や借主を探せるのが「空き家専門の情報サイトへ登録する」というパターンです。
次回は空き家専門の情報サイトへ登録する場合について見ていきましょう。